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クラピアは、イニシャル費用では一般の芝よりも高いですが、ランニング費用を含めたトータルコストで、数年以内に芝よりも安くなります。また、成長が大変早いためCO2固定能力は芝より高く、環境対策としても有効です。
クラピアは、比較的手間のかからない植物ですが、植栽基盤を正しく作り、地表を覆うまでは手をかけてあげることが重要です(雑草と戦えるようにしっかりと育てる)。
@広葉で緻密なマットを形成して地表を覆うので雑草侵入が軽減できます。
A匍匐性が強く横に広がり、上方向に伸びにくいので、芝と比べて刈込み回数が減らせます。
B根が地中深く伸びるので乾燥に強い。活着後は、夏の潅水も不要。
C芝のような定期的な目土がけ、エアーレーションなどの作業が不要。 |
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下記に管理方法に関するよくあるお問合せ事項、トラブル対処法をまとめましたのでご覧下さい。
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植付の時期はいつごろ? |
植栽適期
最適期:6月〜8月(平均気温20度以上)
適 期:3月後半〜10月(平均気温10度以上)
*11月〜3月中旬までの期間に植栽する場合は、防草シート、マルチングや不織布と
組合せ、深植え施工を推奨。
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どんな土壌に植付したらいい? |
植付の際に準備していただく土壌についてのポイントをご案内させていただきます。
・普通土が望ましい。砂質土、粘土の場合、土壌改良又は表土入替が必要な場合もあります。
特に、砂質土は肥料・水が保持できないので注意。
・土層厚は最低10cm確保する。
・定植前に元肥として緩効性化成肥料(窒素、リン酸、カリをそれぞれ8%程度含有するもの)を
1平方メートル当り30g程度施用する。
・雑草種子が混入している土壌を用いる場合には、定植前にゴーゴーサン乳剤または
ハイメドウ水和剤+フェナックスフロアブルの通常量を1平方メートル当り200mlの水量で
土壌処理する。
・根の入らないような硬い土壌は耕転が必要。(山中式土壌硬度系で12mm〜21mmが適地)
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植付ける量の目安は? |
苗区分 |
植栽区分 |
推奨植栽密度 |
ポット苗 |
平地 |
4ポット/u |
法面 |
6ポット/u |
ミニ苗 |
平地 |
9ポット/u |
法面 |
12ポット/u |
*法面は、平地に比べ、乾燥しやすく肥料不足になるため、密度を高くします。
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雑草の対策は? |
・植栽前の除草、抜根は必ず必要(ラウンドアップ、バスタ等)。
・クラピアは背が低いので、生育初期に背の高い雑草との競合に負けると生育が遅くなります
(枯死することはない)が、一旦、全面被覆してしまえば雑草侵入を抑制できます。
・宿根草対策として、表土入替が出来れば理想的
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植付時にすることは? |
1)活着を促進するために、定植後2週間程度は適時潅水して下さい。
2)5月〜9月植栽で1ヶ月以上経っても広がらない場合は、肥料不足の可能性が高いので、
追肥を行って下さい。
3)クラピアが被覆するまでの間は、雑草取りを行って下さい。
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日常の管理方法は? |
クラピアをより長く美しく楽しんでいただくために、お手入れしていただくといいポイントを紹介します。
・晩秋、植栽区からはみ出したランナー(ほふく茎)を除去する。
・晩秋、緩効性肥料(窒素、リン酸、カリをそれぞれ8%程度含有するもの)を1平方メートル当り
20g程度追肥する。休眠期に入る前に追肥を行うことで、緑の期間が延びて、翌年の萌芽が
早くなります。
・寒冷地では晩秋〜初春の間は灌水しない。
・温暖・過湿時(梅雨時、秋雨時)はリゾクトニアまたはフザリウムによる葉枯れ病発生の恐れが
あるので、発生始期にフルトラニル系の薬剤(例:モンカット水和剤)の1000倍希釈液または
ベノミル(商品名:ベンレート)の500倍希釈液を散布する。
・ヨトウムシ、イモムシ等による食害、ナミハダニの寄生がみられたら、それらに有効な殺虫剤を
散布する。
・平均気温10度を下回ると休眠に向かいます。また、平均気温13度くらいになると萌芽が
始まります。
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どれくらいの期間で被覆されますか? |
植付た期間 |
被覆期間目安 |
6月〜8月 |
2〜3ヶ月 |
4月〜5月 |
3ヶ月以上 |
9月〜10月 |
3ヶ月以上。場合によっては、完全被覆できません。 |
11月〜3月 |
休眠期なので生育しません。 |
*被覆速度は、植栽密度、温度・日照・肥料条件により異なります。
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よくあるトラブルと対処方法 |
その1:生育不良
症 状:全体に丸く広がらずヒトデ状にランナーが伸びる。
暖かいのにアントシアニンが出て葉が紫色になる。
原 因:土壌の肥料不足
対 策:追肥を行って下さい。特に、真砂土のような砂土壌の場合は、肥料持ちが
悪いので、100日以上のコート肥料を追肥して下さい。
その2:苗が枯れる
症 状:植栽部全体が枯れた。
原 因:潅水不足、苗の浅植え
対 策:植栽後は活着するまで定期的な潅水が必要です。浅植えは、根と土の間に
隙間が出来ますので、再度押し込んでよく潅水して下さい。根が活着した後は、
屋上緑化や砂質土を除いて、潅水は必要ありません。長期間潅水を続けると、
根が傷んで病気の原因となります。
その3:一部が丸く枯れる
症 状:全体は緑なのに一部が丸く枯れてきた。
原 因:リゾクトニア菌による枯れ。気温、湿度の関係で、土壌の菌密度が
高くなる時期に発生する。土壌菌による根の病気。
対 策:フルトラニル系の薬剤(例:モンカット水和剤)を1,000倍希釈で根に届くよう
3〜6g/uかけて下さい。
その4:立ち上がる
症 状:全体が立ち上がる。
原 因:日照不足、高温で長雨が続く
対 策:仮払い機で刈込みをして下さい。刈込むことで蒸れがなくなり、病気の発生が
抑えられます。刈り取った残渣は、外に持ち出して下さい。
その他、注意事項
クラピアは植えると先ず先に根を伸ばします。その間、茎葉部は広がりません。根が伸びた後、
茎葉部が広がります。植栽後1ヶ月経っても(平均気温13度以上で)茎葉部が広がってこない
場合は、何らかの問題がありますので、対策を講じる必要があります。
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